電話代行会社はセキュリティ万全?クライアントの情報漏洩の危険性は大丈夫?
電話代行は会社等にかかってくる電話を社員の代わりに対応してもらえるサービスで、人員が限られている企業やオフィスが不在になりがちな事務所などにとっては非常に有用なアウトソーシング事業です。ただ、利用するとなると部外者に電話の内容が知られることになり、当然ながら情報保護という課題が生じるので、事前に慎重な検討が必要です。
代行会社にはビジネスに関わる重要情報を預けることになる
電話代行サービスには、大きく分けて代理応答型とテレフォンセンター型の2つのタイプがあります。
このうち前者は、会社の代表番号などにかかって来た電話を電話代行会社に転送し、オペレーターに対応してもらうというものです。電話代行会社から番号を貸してもらって一次対応を任せ、緊急の電話だけを会社側に転送してもらうというパターンもあります。
もう1つのテレフォンセンター型は、通販事業者などがよく利用するタイプです。電話代行会社のオペレーターに対して事前に研修を実施し、商品内容などについて理解してもらったうえで、受注や問い合わせへの対応などを代行してもらいます。
いずれの場合においても、代行会社の手許には管理に注意すべき情報が残ります。代理応答型の場合はアポイントの日時や金銭の支払いに関する情報、テレフォンセンター型の場合は発注者の住所・氏名や、場合によってはクレジットカードの番号など、外部に漏洩するとトラブルに発展するおそれのある情報が、電話代行会社という他者に知られることとなります。
通話相手の信頼を得るには情報漏洩はあってはならない
電話代行サービスにおける特徴の1つに、オペレーターが依頼者の社名等を名乗って対応するというものがあります。このシステムゆえに、電話をかけてきた側は通話中の相手が内部の人間であろうと推測し、本来であれば部外者に知られてはならないような内容も話すことになります。
そのため、万が一電話代行会社から情報が漏洩するようなことがあれば、顧客の信頼を失ってしまうおそれがあります。 こうしたことから、当然ながら電話代行会社には高度なセキュリティ対策が求められることになります。
ただ「電話代行会社のセキュリティは万全なのか」という問いに答えるのは困難です。なぜなら、代行サービスを提供している会社はたくさんあり、その品質は千差万別だからです。
したがって電話対応の効率性を高めつつ、なおかつ情報漏洩の危険を避けたいのであれば「たくさんある電話代行会社の中から、セキュリティが万全なところを選べば良い」と考えた方が、目的の達成に役立ちます。
セキュリティ体制をチェックするポイント
電話代行会社がセキュリティ対策に万全を期しているかどうかは、実際にサービスを利用してみないと確実なところは分かりません。ただ、事前に情報収集を行うことによってある程度の手がかりをつかむことは可能です。
インターネット上には複数の電話代行サービスを比較検討したサイトなどがあり、そこではそれぞれの会社の特徴や、実際に利用した人の口コミなどが掲載されています。さらに、各社のホームページには創業してからの年数やクライアント数、サービスを受託している企業名などが掲載されているので、それらの情報からその会社の信頼度を推し量ることができます。
また、情報管理に関する各種の認証を受けているかどうかも、1つの目安になります。よく知られているのは、個人情報の保護に関する法令に準拠したプライバシーマーク制度と、国際規格であるISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の2つです。
さらに確実を期すなら、電話代行会社を訪問し、運営体制をチェックしてみるのもいいでしょう。オペレータールームへの入退室はきちんと管理されているか、通話内容を記録したデータは安全に守られているか、などといった点を実地に確認することができます。
電話代行は、秘書や電話対応専門スタッフを直接雇い入れるのに近い効果が得られるサービスです。それだけに、電話代行会社のオペレーターにも社内の人間と同等のセキュリティ意識の高さが求められるので、情報管理体制の信頼度は非常に重要です。